任意売却でご自宅が売れなかった場合

2018年07月26日任意売却でご自宅が売れなかった場合

当社に任意売却のご依頼をいただいた場合でも、残念ながら100％売却が成立するわけではありません。中には任意売却が成立せずに競売になってしまうケースもあります。

任意売却が成立しない理由で一番多いのは「十分な販売期間が取れない場合」です。

競売が申し立てられてから売却活動を行う場合は任意売却ができる期限、つまりタイムリミットが決まっていることになります。その期間が短ければどうしても売却を成立させられる確率が下がってしまいます。

競売手続きが進行していても競売を取下げて任意売却をする事は可能ですが、債権者が競売を取下げする期日は、競売入札日の前日までと決まっている場合が多く、入札日を過ぎてしまうと競売の取り下げをせずに、任意売却に応じない可能性が高いです。債権者の中には、競売の開札日まで猶予して貰える場合もございますが、基本的には、競売の取下げは競売入札日の前日までとなります。

その他に、任意売却が成立しない理由には以下が挙げられます。
・債権者が売却価格に同意してくれない場合
・物件の状況等により買い手がつかない場合

上記に記載している以外の理由で、任意売却が成立しないケースはそれほど多くはありません。

つまり、「十分な販売期間が確保できれば任意売却を成功させられる可能性は高い」と言えます。その為、任意売却は時間の制限がありますので、少しでも早い段階でご相談される事をお勧めします。

もし、任意売却が成立しなかった場合はどうなるか？

もし、任意売却が成立しなかったら、最終的には競売でご自宅が売却されることになります。競売手続きが完了して、裁判所から「売却許可決定」が通知されると、所有権は落札者に移転しますので、その後速やかに立ち退きを求められることになります。

この場合、落札者に移転費用（立ち退き料）を請求することは基本的にできません。立ち退きを拒んでいれば強制執行という手続きによって無理やり追い出されてしまう可能性もあります。

競売にならないよう、以下のポイントを押さえて、どうにか任意売却を成功させることを望みます。

任意売却がうまくいかない原因

【原因１】不動産物件の印象が悪い

人も同じですが不動産も第一印象がとても重要です。

不要な物があれば、早めに処分し、キッチンや浴室など水周りも含め、きれいに整理整頓された状態にしておくことが大事です。物であふれている等の状態は避けましょう。

特に一戸建の場合は玄関周りや敷地の外にまで気を遣い、綺麗な状態である事を確かめましょう。

任意売却も含め、不動産を売却するには、見にきてくれた方に気に入ってもらえなければ売れません。せっかく足を運んでくれた方のためにも売却期間中はきれいな状態を保ちましょう。

ちなみに、建物の古い・新しいは関係ありません。中古物件を探している方は築年数の経過については事前に把握した上で見に来ているため、建物が古いから売れないと、あきらめる必要はありません。

【原因２】販売価格の見直しが弱い

売れるか売れないかは、価格が大きく作用します。価格が相場より高ければ売却することは難しくなり、相場より安ければ売却できるチャンスが広がります。

しかし、債権者や売主様が相場よりも高価格での売却にこだわったりすると、どんどん時間だけが経ってしまい、安値で取引される競売しか選択肢がなくなってしまう恐れがありますので、任意売却専門業者と常に相談しながら販売価格の見直しが必要です。

任意売却の価格は金融機関（債権者）が決定

任意売却時の販売価格は金融機関（債権者）の意向が強く反映されます。本来価格を決めるのは所有者ですが不動産を担保にしているため、不当に安く売られてしまい、その分回収額が減るのを防ぐためです。

金融機関（債権者）の決定価格で売れなかったら

任意売却業者は一定期間売れなければ債権者と協議し価格の見直しを行い、徐々に価格を下げて販売価格を調整します。この価格の見直しを行わない、又はできないと思い込んでいる、債権者との交渉が面倒だからやらない、といった業者も少なからず存在しますので、しっかりと依頼した業者に確認することが必要になります。

また、残念ながら任意売却に消極的で販売価格を告げず買主様からの申し込みがあって初めて任意売却に応諾する金額を提示する金融機関（債権者）もいたり、価格の見直しに応じない金融機関（債権者）もおりますので、その場合は、競売の可能性も否定できない状況にあると言えます。こういった債権者に出くわしたら、競売になる事も想定して、引越し費用などの工面をご自身で防衛策として図る必要が出てきます。